人は三千円の使い方で人生が決まるよ、と祖母は言った
出典:原田ひ香「三千円の使い方」
この一文を読んだ時
まるで自分に問いかけられているようで
ドキリとした。
この小説はタイトル通り
お金と人生について
丁寧に描かれている作品だった。
島本理生先生、山崎ナオコーラ先生大好き!ワーママブロガーれん(@Renblog11)です
「三千円の使いかた」ってどんな内容?
「三千円の使いかた」って面白い?
「三千円の使いかた」の感想が聞きたい
目次
「三千円の使い道」の各話あらすじ
第一話:新入社員でこのごろ仕事も恋愛もうまくいかないOLの話
御厨美帆(みくりやみほ)は
社会人2年目のOL。
最近、会社で慕っていた女性の先輩が退職し
恋人ともうまくいっていなかった。
そんなある日、犬猫を保護する団体に出会い。
チワワに一目惚れをする。
しかし、犬猫を飼うには条件がある。
場所、食費、そのほかの世話にだってお金がかかる。
きっかけはチワワだったが
人生を見つめなおすと同時に
お金についても見つめなおす事になるのだった。
第二話:70歳過ぎになりお金が心配になった女性の話
73歳になる御厨琴子(みくりやことこ)は
夫を5年前に亡くした女性であり。
御厨美帆の祖母だ。
亡くなった夫が1千万円と
数百万円残してくれたが
年金が減ってしまい貯金に手をつけ
生活をしていた。
今後の介護などの事を考えると
お金の不安が絶えないお年頃だ。
そんな中、嫁である智子(ともこ)から
おせち料理の先生をしてくれないかとお願いされた。
その時、講師料として5千円をもらう。
年金以外の収入に胸が高鳴り
ハローワークに足を運ぶようになる。
はたして、73歳の再就職はうまくいくのか?
第三話:結婚・出産と順風満帆?と疑問に感じた主婦の話
井戸美帆(いどみほ)は
御厨真帆の5歳上の姉で
社会人になってから早々結婚をして退職。
今ではひとりの可愛い娘を授かり
家族三人で慎ましやかに生活をしている。
若いころから倹約家であった彼女は
日々家計簿ポイ活と励んで自分の小遣いは
自分で稼いでいた。
そんなある日、友人が結婚をするという事で
皆で集まったのだがその時言われた事が引っかかった
「仕事もすべてやめて、あの旦那、一本にかけるってことでしょ?すごいよね」
出典:原田ひ香「三千円の使い方」
今までの自分の選択は間違っていたのだろうか。
美帆は今までの自分を振り返るのだった。
第四話:その日暮らしの男が結婚?39歳フリーター男性の話
小森安生(こもりやすお)は
御厨琴子とひょんなことから知り合いになった男性。
家を飛び出すと短期バイトをして
そこそこお金を稼いで帰ってくる。
という生活を送っていた。
そんな彼には彼女のきなりがいる。
きなりは安生と結婚して子どもが欲しいと告白した。
その告白から逃げるように
安生は逃げるように短期バイトに出たのだ。
そこで出会った女の子と
一晩過ごして帰ってきたのだが・・・
結婚・出産・育児。
いらないと思っていた安生は
どんな人生を歩むのだろうか。
第五話:倦怠期夫婦に離婚の危機?そんな主婦の話
御厨智子(みくりやともこ)は
井戸真帆と御厨美帆の母親だ。
最近、手術をしたばかりで
退院の日もひとりで帰宅した。
長年一緒に過ごした夫の和彦との
今後について悩みを抱えていた。
そんなある日、友人が夫の不倫が原因で
離婚することになったのだが
その時にかかる今後の生活費などの話を
しているうちに、智子もお金に対して不安になる。
FPの女性に相談をすると
お金の心配よりも
今後夫婦としてどう過ごしていくかが
大切になってくると言われて・・・
お金よりも大切かもしれない。
子どもが独立した後の
夫婦のこれからの物語。
第六話:第一話で登場した真帆と奨学金をかかえた彼氏の結婚までの話
御厨真帆は日々節約倹約に励んでいた。
そんな中、セミナーで出会った翔平(しょうへい)と付き合っていた。
結婚を前提に付き合っていたのだが
突然、彼から知らされたのは
両親が黙って借りていた550万円の
奨学金があるということだった。
結婚を目前にされた告白を
真帆は両親に伝えたが、
特に母の智子からは反対をされた。
真帆はこのまま結婚できないのか?
翔平の奨学金問題はどうなるのか?
「三千円の使いかた」を読んだ感想
とある一家を中心とした。
お金と人生における物語。
色んな世代が直面してる。
お金の問題のあれこれが登場する。
- 日々の節約・倹約
- ポイ活
- 年金暮らし
- シニア雇用
- 結婚、出産におけるライフプラン
- 仕事をやめてからのお金の問題
- 離婚後の費用や相続分担
- マンション購入
- 銀行や証券の金利
- 奨学金
- お金の価値観
どの話も今までやこれからも
悩めるであろうお金の話だった。
また、お金だけではなく
これからの生き方なども考えさせられる内容だった。
主にそれぞれの話は女性が多いためか
共感できる内容が多かった。
逆に、そんな女性をとりまく男性の姿もあり
男性が読んでも「わかる!」と思う
事も多いのではなかろうか。
小説内に出てくる節約レシピも
どれもおいしそうで実践してみたくなった。
節約のための生活になってない?
時々、節約が最優先になって
健康的な生活が送れていないのではないか
と思う事もたびたびあった。
そんな時に、この小説に会えてよかった。
皆、お金に悩んでいながらも
それぞれ割り切って楽しそうにしている姿に
元気づけられた。
どんな世代でも突き刺さる内容になっている。
ぜひ読んでみて欲しい。